「巧っていつもえみのことしか庇わないし・・・」


少し目を伏せ、淋しそうにそう言った少女を、少年は一瞥した。


「巧にとってえみは<妹>だからな。・・・<女>として庇ってたのはお前だけだろ」


そう言って口角を吊り上げた。


「まあ、今から楽しみだな」


その一言に少女も頷く。


「・・・今度はとられたりしない」


右手にラケットをにぎりしめ、呟く。







「巧、待ってて−・・・」