『じゃ、あれも知らないの・・・?』
そう言われて、首を傾げたあたしに桜は呆れたように言った。
「雪宮くん、なんで木之下と付き合ったと思う?」
「え、好みだったから」
「馬鹿っ」
シナモンロールを食べていたフォークで、桜はあたしを指差した。
「えみちいを守るためだよっ」
あたしを、守る?
「木之下と付き合う代わりにえみちいに手ェ出させないようにしたんだよ」
・・・巧が?
あたしの、ために。
「嘘・・・」
巧は、そうやってあたしのこと守っていたんだ。
傍にいながら、ずっと。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…