智香が席を立っている間もほたるは監視の目を緩めなかった。


何かの拍子で情勢が変わるかもしれない。


そう思うからだ。


「宮原先生、わかりました。
返事はもう少し先でも結構です。
もう一度、もう一度、どうかじっくり考えてもらえませんか?」


「わかったわ。
一人になって考えてみる」


「お願いします。
ボクは宮原先生のような女性にずっと前から憧れていました。
はっきり言いましょう。
一目惚れです」


「もう・・・
先生ったら・・・
こんな場所で大胆なんだから」


ポーカーフェイスのかすみも相好を崩し、赤面している。


相思相愛が成立するのは時間の問題といえた。


ほたるは泣き出す寸前だ。