「宮原先生。
そろそろ、この前の返事を聞かせてもらえませんでしょうか・・・」


「そのことなんだけど・・・
やっぱり、それってまずくないかしら?」


「はい?
何がまずいって言うんですか?」


「私と氷室先生が交際することになったとするでしょ。
もしも生徒の耳に入ったら、たくさんの子たちが悲しむわ。
全校生徒が氷室先生のファンなんだから」


「だから、バレないようにこっそり付き合いましょうよ。
そうすれば大丈夫です」


「それは無理よ。
先生は知らないでしょうけど、現にもう噂が流れてるくらいなのよ」


「そ、そ、そうなんですか!」


「この前なんか、ある生徒にはっきりと質問されたわ。
何ていう生徒だったっけ・・・度忘れしちゃった」


「誰だろう?」


「名前も顔もよく覚えてないけど、胸がぺしゃんこだったことだけはよく覚えてる」


ほたるは顔を真っ赤にした。


隣の友人はおなかを抱えて笑っている。


「でも、なんでバレたんだろう・・・」


氷室が『考える人』のポーズになる。


ほたるは悲しみのあまり、体をガクガクと震わせた。