休み時間の教室は平和そのものだった。


「ありえな~い」


「超ウケる~」


「それキモくねぇ」


「ああ、どこかにいいオトコ、いないかな~」


などという嬌声が中空をこれでもかと飛び交っている。


そんな中、ほたるは座ったまま、頬杖をつき、ぼーっと物思いにふけっていた。


悩みの種とはもちろん・・・


氷室のことだ。


氷室が好きで好きでたまらない自分。


そして、『氷室先生を好きになっちゃいけないんだ』と心にストップをかけている自分。


2人のほたるが心の中で静かに、そして激しく対立している。


そのとき―


後ろから誰かに肩をたたかれた。