「すみません。
いつもおっちょこちょいで」


「いいじゃん、いいじゃん。
そういうとこがキミのいいとこだよ。
エヘヘ」


「は、はい?」


やはりいつもと何か違う。


切れ長の目はだらしなく垂れ下がり、鼻息だって少し荒い。


ほたるが首をかしげるのも無理はなかった。


「エヘヘ。
実はさっきね、こっそりキミの電話番号とメアドをメモっちゃった」


思いがけないカミングアウトにほたるは言葉を失った。


大好きな担任にそんなことを言われ、本来なら嬉しいはず。


しかし、今はどうだろう。


嬉しさよりも恐怖のほうが勝っている。


お酒でも飲んだのだろうか。


合法ドラックでもやったのだろうか。


そう勘ぐりたくなる。