月越ほたるは放課後の廊下を駆けていた。


「おーい!
月越くーん」


氷室も小走りで近寄る。


だが、いつもと少し様子がおかしい。


クールで硬い表情はどことなくゆるんでいる。


口元にいやらしい笑みを浮かべている。


「エヘヘ。
また落としたよーん」


氷室はほたるの腕をつかむと、手のひらにストラップだらけの携帯をのせた。


いきなりのスキンシップに、ほたるは驚くやら、混乱するやら、ドキドキするやら・・・。