里中理事長と武田校長が語る『例の設定』とは、氷室が生徒に恋心を抱かないようにするためのレベルだ。


大まかに分けると強、中、弱の三段階。


「強」が最高レベルだ。


よっぽどのことがない限り、氷室は生徒に手を出さない。


教師と生徒のロマンスはマスコミの格好のネタだ。


スキャンダルは未然に防ぐのが彼らの仕事の一部なのだ。


「武田校長。
少しだけ緩めましょうかねー」


「ええー?
緩めたほうがいいでしょうかねー?」


「ええ。
そのほうがいいわ。
あまりの堅物だと、かえって怪しまれるかもしれないし・・・」


「おっしゃりたいことはわかりますが・・・
でも、万一、教師と生徒のスキャンダルが発覚したら我が校のイメージに傷がつきますよ。
そのリスクを考えると、どうなんでしょう・・・」