言うまでもなく、全部あおいが書いたセリフだ。


よくここまで嘘をつけるものだな。


ほたるは呆然とした。


彼女のカレンダーは毎日が4月1日なのかもしれない。


頭の中がお花畑なのだろう。


「はっきりいおう。
ボクはこの世で暴力が嫌いだ。
嫌いで嫌いでたまらない。
でも仕方がないね。
生徒を守る義務がボクにはあるからね」


氷室がチンピラに一歩二歩と近づく。


あおいはチンピラから離れると、たくましくも温かい氷室の上半身に抱きついた。


ここぞとばかりにご自慢のDカップを氷室に押し付ける。


ほたるは、「おまえはアホか」とあおいの頭を小突きたい衝動を必死で我慢した。


こんなくだらない茶番に巻き込まれて悲しい。


日当百万円でも少ないくらいだ。