「で、私はいったい何をすればいいのかな?」


おそるおそる尋ねると、あおいがカバンからA4用紙を取り出した。


ほたるに見えやすいように向きを変える。


「私が立てた計画が書いてあるんだけどね、明日の放課後、校門を出たところで変質者に私、襲われそうになるのよ」


「あのー、意味がわかんないんですけど・・・」


「つまり、役者を雇って芝居をうつのよ」


「役者って?」


「エキストラの事務所に言って、日当3万円で雇ったのよ」


金持ちの考えることは常軌を逸している。


ほたるは軽蔑しつつも、あまりのバカさ加減に尊敬もした。


くだらないとは口が裂けてもいえない。