そのとき・・・


向かいのビルの屋上でその様子を監視する者たちがいた。


もちろん、理事長の里中と校長の武田だ。


「ちょっと校長!
おかしいじゃない!
氷室先生が生徒を部屋につれこむなんて予想外だわ!」


双眼鏡から目を離して里中が怒鳴った。


武田も目が点だ。


「ちょ、ちょ、ちょっとお待ちください」


タブレットPCを睨みつけ、氷室のデータや設定を確認する。


「理事長・・・
やはり、生徒への恋愛感情のブロックは『強』になっております」


「おかしいじゃない。
ちゃんとブロックしてるのに、何で生徒をつれこんだりするのよ」


「たしかに変ですね・・・」