「親は大事にしなさいよ。
どんなことがあっても。
どんなときでも。
アンタのこと、一番に考えてるのは誰あろう、親なんだからさ」


母の顔がちらつくとほたるはたまらない気持ちになった。


涙が一滴、頬を流れる。


間接照明が反射してほたるの涙がきらりと光った。


「アンタは素直ないい子だよ。
親御さんの教育がしっかりしてる証拠だね。
そうに違いないよ」


ふたたびエリが満足そうに笑った。


ほたるが携帯を取り出す。


エリも驚くほどの高速で指を動かすと、まさみに謝罪のメールを送信した。