ほたるは自分の部屋に閉じこもり、自問自答を繰り返していた。


テレビも電気もパソコンも消したままだ。


頭の中は氷室のことでいっぱいだった。


はちきれるほどに。


入学式で一目見た瞬間から、深い深い恋に落ち、いくつかの季節が過ぎた今も思いが色褪せることはない。


いや。


それよりもむしろ、育ち盛りの子どものように、グングンと成長しているようだった。


気がつくと、氷室の端正な顔を思い出すたびに首を振る癖がついてしまっている。


『先生のこと、好きになっちゃいけないんだ』


そう自分に言い聞かせ続けてきているからだ。


その苦しみは想像を絶していて、果てしなく、切な過ぎて死んでしまいそうだった。