だが、ほたるはそれほどでもなかった。


テレビをあまり見ないせいもあるが、人は人、自分は自分というのが座右の銘で、他人を気にしないタイプだった。


下校時、たくさんの生徒が校門に塩をまいていた。


小瓶に入った味塩をふりかけてる者もいる。


『よくやるわ・・・』


その愚かな行為にほたるは呆れ、逃げるように素通りした。


『バカバカしい。
他人を妬む暇があったら自分を磨きなさいよ』


と、心の中でつぶやく。


しかし・・・


無関心でいられたのはこの日までだった。