「月越くん。
いきなりだけどさー、ケータイ見せてくれないかな?」


「ケ、ケータイですか?
いいですけど・・・
でも、な、な、なんで?」


突然の問いかけにほたるの滑舌が乱れる。


「いいからいいから。
見せてよ」


「は、はい」


なぜ氷室がそんなことを命じるのか。


それは依然として謎だ。


しかしほたるは言われるがまま、カバンの中、制服のポケットというポケット、全部をまさぐってみた。


けど、どこにもそれらしき感触を得ることができない。


おかしいな・・・。


ほたるが胸の内で自分に問いかける。