私が手に取ったのは、初心者向けのルール本。
ホントに何も知らない私は、初歩から学ぶしかない。
「ピッチャー…」
家に着くと、机に向かい、ルール本を片手にノートにまとめていく。
「…わけわかんない。」
本には、訳の分からない用語がぎっしり。
あー…文字がかすれていく…文字が……
「遥香ーご飯よ。」
時計はAM7:00。
寝ちゃったのか…私。
何も知らないことを一から学ぶのは、こんなにも大変なんだ。
「おはようー」
「昨日、遅かったわね。」
「あのさ、お母さん…私、部活に入ろうと思って…」
「あら、何に入るの?」
「翔太に誘われて野球部のマネージャーに…」
お母さんも昔は野球部のマネージャーだった。
「同じ道を行くのね。頑張りなさいよ。」
「うん!ありがとうお母さん。」
母の手作り弁当を鞄に入れ、家を出た。