「反射神経なさすぎっ」


「うっ、うるさい!」


私は本当に運動神経がない。
皆に笑われたって、別に恥ずかしくなんかないもん。

「マネージャーの仕事、教えるね?」

少し小柄な、可愛い声の佑樹君がその場から救ってくれた。


「ったく、皆酷いよ」

「皆、すごく歓迎してるよ!」

「ねぇ、彩ちゃんってどんな人だったの?」

ふと、頭をよぎった彩ちゃんの存在。


「いつでも部員に優しくて、部員思いな人だった。」

「こんな時期にマネージャーが変わったら、やりにくいんじゃない?」

「彩の事は、惜しいけどね。だけど、遥香ちゃんなら嬉しい!」

その言葉で、何故か緊張が解けた。
心の底から言ってくれてる気がした。

「大会が近くなったら、試合用のユニフォームに背番号を縫ってほしいんだ。」

「裁縫なら、大丈夫。」

「あとは、試合の記録や筋トレの記録をとったり…取り敢えず、皆と仲良くやっていったらマネージャーの仕事は楽だから。俺らのことも名前で呼び捨てで。俺らも遥香って呼ぶな!これ強制。」


今まで普通に読んでた皆を名前で呼ぶなんて…
周りの女子を敵に回すようなもんだよね…