「いーちにーいちに」

「「そーれ」」

放課後のグラウンドには、たくさんの運動部がいた。
いつもはこんな時間にはもう学校にいない私。
こんな光景は、初めてだ。

「遥香ー!」

テニス部の横で練習している、白いユニフォームの野球部。
いつもは見ない姿の翔太が笑顔で手を振ってくる。

「ミーティングだ、集まれ。」

翔太の合図により、部員全員が集まってくる。

「彩の代わりとして、今日からマネージャーになる、岡崎遥香さんです。」

「綺麗っすねー。」
「ほんとっすよ。翔太先輩ナイスっす。」

「ふざけんな。ばーか」

そう言って、持っていた記録表で後輩の頭を叩く。


この野球部の第一印象は悪くはなかった。
皆、和気あいあいとしていて、仲も良さそうで。

「自己紹介して。」

「翔太の幼馴染みで、2年生の岡崎遥香です。よろしくお願いします。」

「そうだったんすか、翔太先輩。」

「ああ、よろしくな。遥香。」


グラウンドに響き渡る拍手が鳴る。