「彩ちゃんは?」


「彩、辞めたんだ…」


「どうして?」


「母さんが倒れたらしくて、辞めなきゃいけなくなったって…」


彩は、素晴らしいマネージャーと有名だった。
そんな彩の役目を私が果たせる訳がない。

「…他にも沢山いるじゃん。」


「遥香しか、頼める人がいなくてさ…」


背もそこそこ高くて、顔だってカッコいいのに、性格だけが…
結局、いつもそうじゃん。


「分かったよ。」

悲しそうな顔から急に笑顔に変わる。

「言ったぞ?今日、グラウンド来いよ?」

さっきまでの思い空気が一変、翔太は楽しそうに走っていった。

ホント、よくこんな奴にキャプテンを任せたよな…