部室から出てきた上原は、次々とゴミ箱へほおりこんでいく。
必ず帰ってくる。そう信じた翔太は背番号を残していた。
そんな背番号も、あっけなくゴミ箱へ。
「やめなよ!」
我慢してた。……だけど無理だった。
「……そんなにも野球を捨てないで…」
上原は捨てている手を止めると、こっちを見る。
「必要ねぇんだよ。こんなの残されてもな、こっちも迷惑なんだよ。」
「じゃぁ、なんで取りに来たのよ!」
一瞬、言葉に詰まらせたようにも見えた。
「要るものもあるんだよ、雑誌とか、野球に関係ないものも。」
「…だからって、捨てる必要あ…」
「遥香!もうやめろ。」