「……元気だったか?」

今まで笑顔だった拓矢でさえも真剣に問い掛ける。


「……元気?…ふざけんな。」

「本気で心配してんだよ、俺は。」



呆れたように笑う。
だけど、そんな表情も一変。拓矢を睨むように見る。


「…元気だったら、今頃ここにいるんだけど?」


部員に罪はない。
そんなこと、上原だって分かってるはず。


「残りの荷物取りに来ただけだから。」

「…待てよ。」





上原が放った言葉はあまりにも残酷だった。


「…離せ。怪我もせず、呑気に練習してるお前らなんか、顔も見たくねぇ。なんで俺が、俺だけが、こんな目に合わなきゃいけないんだよ。……俺は、お前らなんか大嫌いだ。」



はたから聞くと、ただの自己中。
でも、皆分かってると思う。
どれだけ辛い思いをして、今もどれだけ辛いか。


皆、返す言葉もなく、ただ下を向くだけ。