……上原絢斗だよ。 彼の名前。 初めて見た、彼の顔。 少し茶色がかった髪。 目立ちがはっきりしていて綺麗な顔。 過去のエースピッチャーだった面影はどこにもなかった。 肌は病み上がりのように白く、運動なんて全くしていないかのように。 彼は食べ終わったのか、乱暴に立ち去る。 気持ちだけが先走って、体が動かない。 ……行かなきゃ。 「……待って!」