「ねぇ、上原ってどんな人だったの?」

前半を走った私と翔太は後半は休憩。
先生の目を盗んで、翔太に話し掛ける。

「人情が厚くて、優しい奴だった。」

「…そんな上原の面影は…もう、ないんだよね。」

「まるで別人。この間、見舞いに行ったときなんか、"出てけ"って。」


…本当に変わっちゃったんだね。何もかも。

「そんなこと、言う人だったの?」

「まさか。全部が変わったんだ、あいつは。」


悲しげな目をする翔太。
過去を振り替えると皆、辛いんだよね。

「今日さ、練習中に皆に話聞いていい?」

「絢斗の事?」

「うん。」

「ああ、いいよ。」