何だこれ?種…か?
いや、違うな。植物にあまり詳しくない素人の俺でも種は光らない事ぐらい知っている。

だが、種の形をしているようにも見える。

「う~ん。何だこれ?さっぱり分からん…」

しばらく、考えても分からないのでとりあえずズボンのポケットに種をしまった。

再び、大の字で寝転んだ。
すると

「ちょっと!いきなり人をポケットに閉じ込めるなんて、酷すぎませんか!?」

!!

また、あの声だ。今度は、はっきり聞こえた。

「聞いてますか?ズボンのポケットですよ!!ポケット!!」

「ズボンのポケット?」

俺がズボンのポケットに入れたのは、さっきの種みたいなものだ。

少なくとも、喋るものなんてしまった記憶が無い…

でも、まさかそうなのか?

先ほどしまった種らしきものを俺は恐る恐る取り出して見た。
「ふぅ。いきなり人をポケットに閉じ込めるなんて、酷くありませんか?」

…………………。

「ちょっと、聞いてますか?」
…………………。

「あの~?聞こえてます?」

「うわぁ~!!何これ!?何でしゃべってんの!?」

「耳元でいきなり、大声出さないでください!!」

「耳元って耳とかねぇだろ!?何でしゃべれんだよ!!」

何だこれ!?種?違う。有り得ない。有り得ない。有り得ない!!
種はしゃべらない!耳なんかある訳ない!!

「しゃべってないですよ?あなたの脳に直接的に話しかけてるだけです。分かりやすく言えば、テレパシーです。」

「テレパシー?ますますもって、胡散臭いんだが!!」

「無理もあり……ん。だっ……て、あな…たの…世界……は、違……界、ユグド……人ですから」

「え?何だって良く聞こえない。」

次の瞬間、夢の中?で再び意識が墜ちた。