そう言って、蘭の細い腕を掴んで隣の空き教室に入った。

「ちょ、ちょっと!」

「あのさ、さっきのことなんだけどさ」

「だから、もぅいいってば!」

そう叫ぶとドアの方に歩いて行く。

その手を掴んだ。

「ちゃんと、最後まで聞けって!」

「…」

「あれは、誤解だ」

「誤解?」

「あぁ。あれはぜーんぶウソ」

「え?それホント?」