俄かに賑やかになってきた新の身の回り。

もう人付き合いがどうとか、女性恐怖症がどうとか言っている暇はない。

なし崩し的にクラスの渦に巻き込まれ、翻弄され、振り回され。

それでも。

「じゃあさ、放課後に学食でみんなでお茶でもしながら琥三郎のお話でも聞かせてよ」

遊里の提案で、放課後の予定まで決められたりして。

今までなら、授業が終わったらさっさと帰宅して、平凡ながら面白味のない毎日を過ごすだけだったというのに。