「新君、琥三郎見せてよぉ」

新の肩に触れて揺さぶる遊里。

それだけで。

「~~~~っ」

席を立ち、顔を顰め、新は大袈裟に後ずさる。

大抵の女子生徒は、これで嫌な顔をする。

『何よ、汚いものに触れたみたいな反応しないでよ!』となるのだ。

中学時代は、これで随分とあらぬ誤解を受けてしまった新。