そして。
…戦況は均衡状態になってしまった。
原因は私。
残念ながら、私は原色の男に人質として捕まってしまった。
「お前ら、動くなよ?動いた瞬間に、この女を殺すからな?」
ニヤニヤと、気持ち悪い笑みを浮かべる男に腕をつかまれているこの状況に、私は吐き気がした。
原色の男達は、いつも男達が私に向けられる、あの嫌な瞳で私を見つめる。
『黒鳥』のメンバーは、律儀に動かないでいる。
私にかまわず、さっさと攻撃すればいいのに。
彼らならたぶん、こんな三流チーム、すぐに潰せるはずだし。
…私のことなんて、どうでもいいのに。