「名前…なんだっけ」

「あ、乃木 歩と言います」
そういうと
「歩ちゃんね、覚えた」

私は、3年生の先輩にじろじろと見られているのが分かったから、
「じゃあ、失礼します」
そう言って、春とあわてて階段を降りた。