両手でやっと持てるほどの大きな桃です。お婆さんは洗濯物のことは忘れて、無我夢中で桃を家まで運びました。

いつものように囲炉裏の火を眺めていたお爺さんも、この大きな桃には大層驚き、お婆さんと力を合わせて桃を切りました。

錆びた包丁で細かく切り、果汁の一滴も残さず二人で貪りました。

これより前に二人で協力して作業をしたのはもう遠い昔の話。
二人は久々に仲良く、楽しく、食事をしました。

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