キキキーーーッ

…ドンッ


「えっ…?」

もうすぐで車にぶつかるというときに、誰かに押された。


私…死んでない?


「馬鹿野郎っ!!何考えてるんだっ!!」

運転手の怒鳴り声が聞こえる。

「すいません、俺の妹が…」

必死で謝る、私を押した男の人。年は…20代前半ぐらいかな。

てか、妹じゃないのですが……。

「ったく…これからは気を付けろよ」

私を押した男の人に何度も謝罪をされた為か、何事もなく運転手は車に乗り込み帰っていった。


「………」

その光景を唖然と見ていた私。


何で私は生きているの?
どうしてこの男の人は私を押したの?


意味がわからなかった。


「…大丈夫だった?」

そんな私の思ってる事を知ってか知らずか…男の人は手を差し伸べてきた。

「…大丈夫です」

見知らぬ人の手なんか触りたくない。

そう思い、自分の力で立ち上がった。

「家は?もう遅いし、送るよ」

…何なの?この人。

何で見知らぬ他人に…そんな事を言えるのよ。

「知らない人にそんな個人情報言えるわけないじゃないですか」

「知らない人?」

驚いたように、男の人は言う。

……いや、知らない人でしょ。

「あーそっかぁ…忘れてるのか」

今度は良くわからないことを言い出す。

「俺の事、覚えてない?篠崎優愛ちゃん?」

篠崎優愛とは私の名前だ。

……って…えっ?

「なっ…何で私の名前を!?」