後ろ手に手を振りながら、いまだに鳴り止まない喧噪へ足を向かわせる。


「何年たっても忘れませんよ。・・・・絶対!絶対取り返しに行きます!!」


後ろから聞こえた声は、威勢が良くて。


「いい返事だねぇ~」


ヘラリと笑う俺の声は、いつもと同じで。


倉庫内に響く声には、怒気や発狂も混ざってて。


煩いなーと思いつつも、何か期待というものが俺の心の隅にあってこれからが、少し楽しみになった。


俺は、ケータイを出してセイタさんのアドを出した。


「・・・・・・。」


だけど、そのまま電源を落とした。


まだまだ若い、今摘み取らなくていいものも中にはあると思うんだ。