周りを殴りながら、相手を探す。


むさ苦しい男の中に、チラリと見えた藍色の髪。


アイツか・・・!?


けど、すぐに見失って違う男が目の前に現れる。


こりゃこりゃ。


「邪魔だ、どきな。」


とにかく殴って殴りまくった。


そして、あの柑橘系の香りがしたとき視界の端に藍色を捉えた。


―――――見つけたっ


斜め後ろから飛んでくる拳。


それを、片手でキャッチする。


俺の掌にすっぽり収まるような小さな拳。