「あら……逆よ? とても助かっているの」
「え……?」
「私ひとりでは話を切り上げる口実がなくて困ってしまうわ」
 思い返してみると、真白さんは私を待たせているから、という理由で話を切り上げていた。
「私、こういうパーティーは苦手なの」
 肩を竦め、
「私を助けると思って一緒にいてくれないかしら?」
 とお願いされた。
 サロンへ引き返すことも考えたのだけれど、その道も険しいことを知る。私たちは顔を見合わせ苦笑しながら先へ進むことに決めた。しかし、数歩歩けば新たに声をかけられ足を止める羽目になる。自分が助けになっているのかは甚だ怪しい。
 そこへ、「真白さん」と涼先生が現れた。