気持ちはわからなくもない……。でも、
「それ、唯兄の正式名称……だよね?」
「私もそのようにうかがっております」
「いやいやいやいや、それが正しいとか正しくないとかじゃなくて、慣れてないって話っ」
「それを言うなら、私だってお嬢様なんて言われ慣れて……」
「る、でしょ? マンションのコンシェルジュとホテルの人間にはそう呼ばれてるんだから」
「……唯兄よりも多少免疫がある程度、です……」
微妙な言い合いに御崎さんがクスリと笑った。
「オーナー夫妻からうかがったとおりですね」
「は?」
「え?」
「大変仲のよろしいご兄妹だとうかがっております。翠葉お嬢様の喜ぶ顔をご覧になれば幸せを感じられるようななご関係だと」
御崎さんは口を閉じたけれど、何も言わない私たちを見て、再度口を開いた。
「それ、唯兄の正式名称……だよね?」
「私もそのようにうかがっております」
「いやいやいやいや、それが正しいとか正しくないとかじゃなくて、慣れてないって話っ」
「それを言うなら、私だってお嬢様なんて言われ慣れて……」
「る、でしょ? マンションのコンシェルジュとホテルの人間にはそう呼ばれてるんだから」
「……唯兄よりも多少免疫がある程度、です……」
微妙な言い合いに御崎さんがクスリと笑った。
「オーナー夫妻からうかがったとおりですね」
「は?」
「え?」
「大変仲のよろしいご兄妹だとうかがっております。翠葉お嬢様の喜ぶ顔をご覧になれば幸せを感じられるようななご関係だと」
御崎さんは口を閉じたけれど、何も言わない私たちを見て、再度口を開いた。