「怒らないよ。披露宴のとき、涼先生としていた会話は聞いていたでしょう?」
「聞いてたけどさ……」
「例外はなし。誰のことも怒っていないし、怒れない。だって怒る理由がないもの。……第一、疑問を抱かなかったのも深く追求しなかったのも私なの」
少し考えれば気づくこと。でも、知ってすぐは衝撃や色んな感情の波が押し寄せてきて見えなくなっていただけ。
初めて朗元さんと会ったのは五月末。そのあとの私の体調を考えれば言うタイミングなどなかっただろう。
夏には記憶をなくした。二度目に会ったのは記憶が戻って混乱している最中。
いったいどのタイミングで言えたというのだろう……。
秋斗さんもツカサも朗元さんも、きっとタイミングを逃してしまっただけ。その原因は私にある。
「唯兄はいつ知ったの?」
「……終業式の日。秋斗さんから聞いたんだ。白野でリィと会った人が朗元で、藤宮の会長だって知った……」
「聞いてたけどさ……」
「例外はなし。誰のことも怒っていないし、怒れない。だって怒る理由がないもの。……第一、疑問を抱かなかったのも深く追求しなかったのも私なの」
少し考えれば気づくこと。でも、知ってすぐは衝撃や色んな感情の波が押し寄せてきて見えなくなっていただけ。
初めて朗元さんと会ったのは五月末。そのあとの私の体調を考えれば言うタイミングなどなかっただろう。
夏には記憶をなくした。二度目に会ったのは記憶が戻って混乱している最中。
いったいどのタイミングで言えたというのだろう……。
秋斗さんもツカサも朗元さんも、きっとタイミングを逃してしまっただけ。その原因は私にある。
「唯兄はいつ知ったの?」
「……終業式の日。秋斗さんから聞いたんだ。白野でリィと会った人が朗元で、藤宮の会長だって知った……」