ふたりの雰囲気は普段ホテルで見かけるものとは違った。もしかしたら、園田さんと澤村さんは結婚するのかもしれない。そんな空気。
「湊、ありがとう……。それから、本当におめでとう」
園田さんと湊先生が抱擁を交わすところだってカメラ班は逃さない。パシャリと撮っては壁際へ下がる。
集合写真を撮ったあと、綾女さんからカメラを返された。けれど写真どころではなく、カメラは今も椅子の下。カゴの中に入ったまま電源も入れず、レンズカバーすら外してない。
天井からは赤と白を基調とした、ハニカムペーパーで作られた大きさ様々な球体が吊るされていてとてもかわいい。建物の入り口には大きなクリスマスツリーもあった。
でも、不思議と撮りたいという気持ちは生まれない。そう思う余裕がないのか、未だ混乱の中にいるのか……。
「翠葉、大丈夫か?」
蒼兄が心配そうな顔で私を見ていた。
「湊、ありがとう……。それから、本当におめでとう」
園田さんと湊先生が抱擁を交わすところだってカメラ班は逃さない。パシャリと撮っては壁際へ下がる。
集合写真を撮ったあと、綾女さんからカメラを返された。けれど写真どころではなく、カメラは今も椅子の下。カゴの中に入ったまま電源も入れず、レンズカバーすら外してない。
天井からは赤と白を基調とした、ハニカムペーパーで作られた大きさ様々な球体が吊るされていてとてもかわいい。建物の入り口には大きなクリスマスツリーもあった。
でも、不思議と撮りたいという気持ちは生まれない。そう思う余裕がないのか、未だ混乱の中にいるのか……。
「翠葉、大丈夫か?」
蒼兄が心配そうな顔で私を見ていた。