私の言葉はひどく単調だった。
「すみません」なんて言っておきながら、謝罪の気持ちなど微塵もこもっていなかった。
 御崎さんのくれた答えを受け入れることができず、ぐるぐると違う考えが頭をめぐる。
「私のせい? 私が動揺したから?」
「リィ……」
「翠葉ちゃん、それは違うよ」
 思いもよらない声に背後を見上げる。
 そこには静さんが立っていた。
「会長は喘息持ちでね、冷たく乾燥した空気は身体に障るんだ。午前の挙式に出たら午後の披露宴は休む。それは事前に決まっていたことなんだ。その代わり、夜の晩餐会には出席予定だよ」
 それは本当……?
 静さんを見つめると、
「私は嘘はつかない主義でね」
 にこりと笑顔を返され胸を撫で下ろした。