そりゃそうか……。
 ま、こんな全校生徒の前でマイク通して言われたらびっくりするよな。
 ……けど、勝算がなかったらこんな舞台で言ったりしない。
 紅葉祭の準備をしている間中、ずっと飛鳥のことを考えていた。
 ずっと見てた。
 なかなか行動に移せなかった理由も粗方わかった。
 翠葉の警護がきっかけで、全部納得できた。
 そして、腹も据えたよ。
 俺は全部を自分で守れるほど強くはないけど、飛鳥のことは絶対に守るから――。
『俺、飛鳥が好きなんだ。ずっと俺だけを見ていてほしいんだよね』
 飛鳥は放送委員長の神谷先輩に背中を押され、小窓ギリギリの場所に立たされた。