『ね、ちょっとプライベート私信いいかなっ?』
 マイクを通し、観覧席に声をかける。
 きゃーきゃーうるさくて、いいのか悪いのかの許可なんてあってないようなもの。
 そんな中、
『飛鳥っ』
 放送室の小窓に飛鳥のびっくりした顔が覗く。
 でも、もっとびっくりしてほしい。
 もっと俺を見てほしい。
 もっと、もっと――想いは貪欲だ。
『あのさ、まだ気持ち変わってない? 飛鳥の気持ちはどこにある?』
 飛鳥は途端に身を引く。