「文句は私の胃に言ってください」
「胃に独立した意思があるなら胃に言わせてもらう。が、残念ながら胃には独立した意思はない。よって、その持ち主であり、宿主である翠に言うのが妥当かと思うけど?」
「……わかりました。じゃ、私が聞いて胃に伝えておきます」
 どうしてこんな会話になっちゃうのかな。
 もっと普通の話をしたいのに、どうしてかいつもこうなってしまう。
 そんなことを考えながらお弁当の蓋を閉めていると、それを横から取り上げられた。
「ツカサ、お弁当箱は洗って返したいっ」
「面倒だからいい」
「別にツカサが洗うわけじゃないでしょうっ!?」
「こっちの都合でこういうことになってる。だから、そういうことまでされるのは気が引ける」
 ツカサははっきりとそう言った。