「好きな子がほかの男を頼ってると面白くないもんだなぁ、と思って……」
「くっ、何? 見込みなさそうなの?」
「……逆のはずだったのに」
 どうしたことか、テスト期間中ですらすれ違いの生活をしていた秋兄と、思わぬところでゆっくりと話せる機会ができてしまった。
 しかも、こんな青空テラスで。
 空に浮かぶいわし雲が眩しいぜ。
 なんていうか、秋兄とは年も離れているし、話したところでどうこう騒がれないってわかってるからかな?
 格好悪いことをボロボロ零せる。
 あんちゃん、全部拾ってくださいね?
「俺を好きっていう子がいたんだ。で、ずっと好きでいてくれたわけさ。それが当たり前だと思ってたんだけど、最近ちょっとおかしなことになってる」