秋斗さんが俺をどういう形で藤宮警備へ引っ張ってきたのかを。
 なるほど、そうきたか……。
 思わず自分の中で小さな火が点いた。
「じゃぁさ、交換条件」
「なんでしょう」
 余裕そうな表情が崩れるところを見るのはたまらなく愉快だろうなぁ……。
 秋斗さんが彼をかまう理由もわからなくないや。
「俺のこと、これからずっと唯さんって呼んでね? 俺は司っちって呼ぶから」
「っ……!?」
「くくくっ……すっげぇ嫌そうな顔」
 きっと、彼のことをこんなふうに呼ぶ人間は今までいなかったのだろう。
 でも、俺は一味違うわけですよ。