心を優先しないのは、いつも翠葉の側にいるという俺たちなりの意思表示のつもり。
 嫌というほどにわかってほしい、俺たちの気持ち。
 これだけはありがた迷惑でもいいから押し付けさせてほしい。
 実際、翠葉はものすごく働いているし役に立っている。
 司に「これ」とだけ口にして膨大な収支報告を渡されても異論を唱えることなくさくっと片付ける。
 そして、交換条件とでもいうように、必要な資料が見つからなくて山積みになったものをバサリ、と司に押し付けることだって厭わない。
 そのときのふたりの会話といえば、「翠、これ」「ツカサ、これ」以上だ。
 結果、そのやり取りを見ていた周りの人間たちの感想が増える一方。
「あれ何?」
 呆然とするのは放送委員の人間だとか実行委員の人間。
 生徒会メンバーはすでに慣れていた。