「……でも、あれを飲んでいたらいつもよりは動けるのに」
「そのあとは? ……おまえ、あれをいつまで飲み続けるつもりだ?」
 いつ、まで――?
「あれは特効薬でもなんでもない。その場しのぎに使うもんだ。おまえの今回の使い方は正しくない」
「でもっ、一日の服用量は守ってたっ」
「そういう問題じゃない。毎日飲むものじゃないって言ってるんだ」
「でも、唯兄はよく飲んでるっ」
「じゃぁ、あとで俺が二号に直接言ってやるよ。バーカってな」
 先生は本気で嘲るように笑った。
 でも、すぐに真剣な表情に戻り訊かれる。
「痛いからってモルヒネまがいの静注を続けていたらどうなる?」
「……廃人になる」