「だから、ここで休みたいならそうすればいい。ほら、冷えないうちに布団に入りな?」
 そう言うと、俺はソファへ向かった。
 背中に彼女の視線が張り付いている。
 ソファに座り彼女を振り返る。と、まだ首を傾げたまま俺を見ていた。
「そんな顔をしてると添い寝してほしいのかと勘違いするよ?」
 ソファの背に手をかけ立ち上がる素振りを見せると、彼女は慌ててベッドへ上がり布団の中におさまった。
 横になると、今度こそ外の景色に釘付け。
 外の景色、というよりは空、かな。
 俺は携帯からメールチェックをしたり、株の操作をしていた。
 手荷物はまだ本館にあるからパソコンはない。
 それに、ここでパソコンを開いてしまったら、彼女が気にするだろう。