「ここにいたいならここでかまわないんだ。俺がいないほうがいいなら蒼樹か若槻を呼ぶし」
「違うっ――秋斗さんがいるからとかそういうことじゃなくて」
 俺が原因じゃないのは嬉しい。
 でも、それを言葉のままに受け取っていいのかは不明。
 彼女は優しいから――その言葉すべてを信じていいのかわからない。
 俺じゃないなら理由はやっぱりカメラ、だろうか……。
「じゃぁ、何?」
「……私がここでお昼寝しちゃったら秋斗さんが休めないから」
「なんだ、そんなこと?」
 君の考えは本当に読めないな……。
 理由が自分でも写真でもないことにほっとして、思わず笑みがもれる。
「俺は何もしないで過ごせる時間があればそれでいいんだ。翠葉ちゃんの『休む』は身体を横にして休むことが前提なのかもしれないけれど、俺は違う。ただ、頭を使わずのんびりと過ごせるだけで十分休養になる」
 彼女が顔を上げて首を傾げる。