そんな彼女からカメラを取り上げると、見えない場所へ移す。
 ブーツに手をかけると、彼女はやっと声を発した。
「あ、ごめんなさいっ。自分で――」
「手、かじかんでてちゃんと動かないんでしょう?」
 彼女の手は真っ白だ。
 それは色が白いとかそういうことではなく、血が通っていないように見えた。
 きっと、ものすごく冷たいはず。
 でも、その前に足だよね……。
 あの状態でずっと座っていたのだ。
 足だって痺れるだろうし、血流が滞ってもおかしくはない。
 靴下も脱がせその足に触れると、氷のように冷たかった。
「足、だいぶ冷えちゃったね。ちょっと待ってて」
 バスルームへ行き、コック全開でバスタブにお湯を張る。