「御園生さんって、本当に俺のこと眼中ないよね? どうせ、俺の名前なんて覚えてないんでしょう?」
 これは責められても仕方がないだろう。
「あ、あのねっ、サザナミくんはサザナミくんって感じなのっ」
 なんだよ、それ……。
「そりゃ、俺は漣だけどさっ! なんで同学年で俺だけ苗字っ!?」
「きれいだからっっっ」
 ――ネットでニュースでも見るか。

 向こうで繰り広げられる会話から完全に離脱し、国内外のニュースに目を通していた。
 そして、最後にたどり着くのは株。
 とりあえずの動向を探るのにはこんな短時間でも有効に使える。
 しばらくはディスプレイに集中していた。
 けれど、視界の端に翠が入り込む。