先輩は何も言わずに数を数え始め、十まで数えるとまた一に戻って数を数えてくれた。
それを何度繰り返してくれたのかは覚えていない。
『翠?』
「先輩……最後に一緒に数を数えてください」
『わかった」
静かにふたりの声が重なる。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……」
『一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……』
「夜分遅くにありがとうございました」
『翠っ!?』
「おやすみなさい」
携帯の通話を切ってから、謝罪の言葉を口にした。
「一方的な電話でごめんなさい……」
でも、先輩のおかげで心は穏やかだ。
これなら大丈夫。気持ちを切り替えることができた。
先輩の声は録音をさせてもらった。
それを何度繰り返してくれたのかは覚えていない。
『翠?』
「先輩……最後に一緒に数を数えてください」
『わかった」
静かにふたりの声が重なる。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……」
『一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……』
「夜分遅くにありがとうございました」
『翠っ!?』
「おやすみなさい」
携帯の通話を切ってから、謝罪の言葉を口にした。
「一方的な電話でごめんなさい……」
でも、先輩のおかげで心は穏やかだ。
これなら大丈夫。気持ちを切り替えることができた。
先輩の声は録音をさせてもらった。